突然の別れ

1月 17th, 2011

「愛なんて信じない」恵子はそう思った。
クリスマスイブに突然、恋人から別れ話を切り出されたのだった。5年も付き合っていた相手に捨てられてしまったのだ。25歳から30歳という女として大切な時間・・・
恵子はその大切な時間を返して欲しいと叫びたくなった。
突然の別れ話、恵子には何がなんだかわからなかった。思い当たることなどまったくない。昨日も楽しく食事をしていたはずなのに・・・。
理由もわからないままでは、とても納得なんて出来ない。恵子はそう思っていた。理由がわかっとてとしても納得なんて出来ない。恵子の心は乱れていた。誰か別に好きな人が出来たんだろうか・・・
自分が何かいけないことをしたんだろうか・・・恵子はあらゆる可能性を考え出した。しかし、どれも納得いく答えではなかった。もちろん納得できる答えなんてあるわけがない。
恵子にとって、どんな答えも受け入れられるものではなかったのだ。
一生一緒にいると思っていた相手が突然姿を消した。
恵子は思った。
『そんなことがあるわけがない。そんなことが二度もあって良い訳がない』
恵子は、5年前のあの夜の事を思い出していた。あの日も今日のように雪が降っていた。
恵子の初恋の相手、アキラと別れの日・・・。
何の前触れもなくアキラは消えてしまった。恵子の前から永遠に姿を消してしまったのだった。仔犬を助けようとして命をおしとしたアキラ・・・
恵子も生きる気力をなくしていた。そして、すべてが終わったように思えた恵子の前に俊哉が現れたのだった。
恵子と俊哉が出会ったのは、5年前のクリスマスイブだった。



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